ムヒョとロージーの法律探偵事務所の打ち切りの謎にせまる!?

『ムヒョロジ』
08年始めに打ち切りになったのだが、どうして打ち切りになったんだろうか。 なんて考えて見ることにした。なお、これは個人的意見なんで実際はこうとは限らない 一人の人間が言っていることだと思って聞き流して欲しい。

この漫画の世界観や設定ネームなどは魅力があり充分なものだった。 独特な不気味な空気や緊張感なども感じることが出来た。 キャラクターも良かった。ちょっと女っぽいロージーは乙女チックなキャラとして 話題になった程。。ムヒョとのやり取りも愛らしかった。 魔法律という法律で悪霊を裁くという設定は独特で興味深かった。 当初はうまく扱えればアニメ化もあるなと思っていた作品である。 しかし、作者はこの世界観をうまく表現することが出来なかった。

欠点なのはストーリーと裏づけだと思う。ストーリーは設定は良いのだが 納得する程ではなかった。例えばエンチューが謀反を抱いた理由が、単にムヒョに 対する嫉妬というもの。。これだけであれほどのことを起こす理由があるのだろうか。 そして仲直りするのだろうなという予想は当然あったんですが、エンチューにそこまで させる程の勢い、力がない。。あまりにアッサリ変わりすぎである。 リオ先生などはまだ説得力はあったが。。。 あまりにも同情話が多すぎるのが読者には煙たかった可能性がある。

それだけのことだったのか。。そう考えるとこのエンチュー編を長引かせる 理由なんてなかったのではないだろうか。。 この漫画には同情が多い。ある程度、敵にも美学というものを出すのは仕方ないが あまりにもあらかさま過ぎる。こういう不幸があったから裏切った。。だから。。 自分がそういう立場に置かれたからといって同情する筋合いはない。 さらに敵側にそういうキャラが何故か多い。そして、そこには魔法律協会の裏が必ずある。 これでは悪の根源は協会ってことになる。 この漫画の最大の悪玉は魔法律協会だったのではないだろうか。 この組織自体がつぶれて欲しいと思った人が多分多数だったかもしれない。 だから攻められてぶっ壊れてもむしろ喜ぶべきことではなかったのか? ぶっ壊れて損をする人間なんていない。むしろ好都合だと思う。 そういうことを読者が考え始めたため主人公側の行動自体に疑問を抱いていた。

構図だが、戦闘シーンなどはあまりよくない。スピード感もイマイチだった。 使者の絵もイマイチだったが、その戦闘法などに疑問を感じる部分も多かった。 ルアラリエだったか忘れましたが、あの使者、あんなに苦労して得たのに 結局出番がじいさんを一人倒す為だけに出てきただけ。。。 てっきりエンチューとかラスボスでぶつけてくるとか思ってたんですけど。。。 やはり執行人が単に使者を召喚するという設定だったんで今ひとつ執行人の強さを 感じることが出来なかった。

才能に対する裏づけがまったくされてない。何故ムヒョは才能があるのか? いきなり才能があるから執行人になれました。才能がない人はなれません。。 才能って何?いやこれこれこういうことでとかこういう経緯でっていうのが あるんですけどただただ漠然にムヒョは才能がある執行人ってことなんですわ。 で、この世界は努力とかしても無理らしい。。何故無理なんだろう。。 才能という意味ではロージーもあるのだが、何故錬が強いのだろう。 そこにまで至ったエピソードなどあっても良いような気がするのだが。 この漫画は長編になると途端、面白くなくなる。 それはストーリーの全貌をうまく捉えきってないので付け加えた風になって 全体としてのバランスが崩れてまとまりがなくなる。過去の出来事と現在の出来事が 異なってきて違和感を感じるのである。 そこに嫌悪感を感じる「魔法律協会」が出てくるので性質が悪い。 短編だとそういった大きな広がりは考慮しなくても良いので話が組み立てやすい。 事実、この漫画の短編は独特の雰囲気や魔法律で裁くという設定がうまく活かされて いるように感じた。

いろいろ理由があると思うがやはり読者が置いてけぼりになった感は否めない。 矛盾と疑問が多いのである。納得して読むことが出来ない。 そうである理由がどこにあるのか?何故そういうことになったのか? 読者が理解出来る内容ではなかった。。または説明不足なのか。。 その辺が読者離れの理由になったのではないかと感じています。

(2008.4)

少年ジャンプCG展示室

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